砂質土の改良に関する研究 : V.マサ土法面の排水特性
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概要
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マサ土は砂質土に分類されるが,わずかに含まれる微細粒子の水との挙動が活発であるため,締固めによる密度の増加が著しく,また強度も増大する.しかし,大きな密度をもつ土体でも新たな水の浸入によってその剪断強度はかなり低下する.本報では,法面の崩壊機構を明らかにするため,盛土部の物理性を把握したうえで,土体内の水分張力と地下水位を測定した.その結果から,法面内の水の動態には原地盤と盛土の境界層が大きく関与していることがほぼ明らかとなった.さらに,こうした現象の存在することを模型実験により検証した.得られた結果は以下のとおりである.1.盛土部の物理性は深さによってやや変化が見られる.この場合,固相率や乾燥密度の小さい部位は水ミチの形成に寄与するものと考える.2.原地盤と盛土との境界層の存在することがボーリングの結果から明らかになり,また,この境界層が土体内では不連続層となっていることがコーン指数線図の変化から判断される.3.法面内の水分張力と地下水位は時期的にかなり変化するが,原地盤と盛土との境界部及び法面下部は,常時低張力となっていることから,この部位には土中水が集中しているものと考える.4.模型による排水実験においては,礫層を含む成層土層と均一土層を比較した場合,礫層厚5cm以下では,均一土層の方が成層土層より排水量は大きい.礫層厚が10cmになるとこの関係が逆になる.
- 千葉大学の論文
- 1986-10-30
著者
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