砂質土の改良に関する研究 : III.マサ土の締固めと透水性
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概要
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マサ土は砂質土の範ちゅうに属するものの,その生成条件が花崗岩質岩石の風化土であるため,含有鉱物の種類や風化度の差によって性状が異なる.また,全国的に分布するこの特殊土は,地山を一度切り崩せば,水に対して極めて弱くなる一方,(1)真比重が大きい,(2)比較的粒度配合がよい,(3)転圧による密度の増加・透水性の抑制など,物理性のコントロールが期待できるといった長所もある.さらに,粒子の破砕性は功罪両面に関与する問題でもあり,使用方法を工夫することによって有効利用が可能となる.本報では,法面造成に伴う転圧の問題について,締固めと透水性の関係を中心に,現場施工や地山の密度と透水性などを関連させて検討した.得られた結果は以下のとおりである.1.粒度調整することにより,コンシステンシーを求めることができる.構成粒子の粒径が大きくなるほど,液性限界(LL)・流動指数(I_f)ともに小さくなる.2.同一試料でありながら,突固め仕事量(E_c)が増大するほど締固め曲線は左上方に移動し,かつ,相対的に形状がシャープになる.すなわち,最大乾燥密度(ρ_<d max>)は上昇し,最適含水比(ω_<opt>)は減少する.3.締固め土の透水係数(k)は密度(ρ_d)が増加するとともに小さくなり,ρ_<d max>を越えた段階で最小値(kmin)に達し,その後再び増大する.4.締固め土の粗間隙量(⊿v)の変化状況は透水曲線(k〜ω曲線)のそれとほぼ一致している.5.おおむね,地山の透水係数(k)は締固め土のkよりも大きい.
- 1984-03-30
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