カキの落果に関する生理学的研究 : I.平核無および富有の落果防止にたいするジベレリン散布の影響
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概要
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1.カキの生理的落果を防止する目的で,1965年から1966年にかけて,ジベレリンの散布試験を行なった.2.平核無にたいする,開花期のジベレリン500ppm水溶液散布は,開花30日後の調査では,顕著な落果防止効果が認められた.しかし,その後落果が増して,開花50日後では,花粉遮断ジベレリン500ppm区においてのみ,落果率に有意差が認められた.3.授粉および環状剥皮処理は,初期の落果を抑制したが,その後の落果が多く,効果がみられなかった.4.結果枝の環状剥皮の有無とジベレリンの落果防止効果の間には,明確な関係は認められなかった.5.富有にたいする,ジベレリンの効果は,平核無と同様に,初期落果を防止した.しかし富有では,授粉果の落果が著しく少なく,授扮することが,落果防止上最も有効であった.6.生態的条件を異にする山梨,千葉および茨城では,山梨における落果が著しく少なかった.これにたいし,千葉および茨城では,落果が著しく多く,ジベレリンの落果防止効果は,あまり認められなかった.7.山梨および千葉の平核無の結果枝の充実度は,山梨のものが充実していて,千葉の結果枝は徒長的であった.8.実験期間中の降雨量は,3地域ともほとんど差がみられなかった.しかし日照時間は,山梨が,千葉および茨城より長く,このことが,落果が山梨において少なく,千葉および茨城で多かったことと関係しているものと思われる.
- 千葉大学の論文
- 1968-12-31
著者
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