枇杷の隔年結果に関する研究 : 第1報 結果枝の強弱・結果量と新梢の生長及び花房の着生との関係
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概要
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1.枇杷の隔年結果を防止する技術を確立するための資料を得る目的で,昭和31〜33年の3ヵ年間にわたり,結果枝の強さ別に,一結果枝当りの結果数を異にする場合の,結果枝の果実の採収痕より萠出する新梢の数,伸長状態,花房着生率を調査した.なお,葉内窒素含量の差異をも検討した.2.供試品種は田中,茂木の2品種とし,本学付属農場果樹園の成木につき,強勢な結果枝(S)と弱勢な結果枝(W)とに分け,着果数を0, 1, 3, 5とした.3.結果枝の果実採収痕から萠出する新梢の数はおおむねS_0>W_0>S_1>W_1>S_3>W_3の順であるが,生育初期にはその差が顕著であるが,時期がすすむにつれて差は少なくなる.しかし,新梢の発育の程度は結果枝の強弱,及び結果数に大きく左右される.4.花房の着生歩合は,結果枝の強弱および結果数の多少と密接な関係を有ち,結果枝の勢力が強大で,しかも摘果の程度が強い場合に,花房の着生率が大となる.花房を着生する新梢は5, 6枚の葉をもち,太さ5mm内外,長さ3〜4cm以上で, 15g内外の重さをもつことが必要であると認められた.しかし,この数値は他の栄養条件によっても変化を示すものと考えられるので,この点については今後さらに検討の余地がある.5.結果枝の基部から萠出する新梢の葉の窒素含有量は,結果枝の強弱,一結果枝の摘果の程度と関係があるようにもみえるが,明瞭な差異は認め難い.
- 千葉大学の論文
- 1960-12-31
著者
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