群馬県利根地方におけるりんごの開花期に関する生態的研究
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概要
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1)りんごの開花期について詳細な知見をもつことは,各種の管理を合理的に実施する上に重要と考えられるので,本学利根農場を中心とし,群馬県利根郡下の主産地につき,その生態的観察を行った.2)利根農場は海抜650〜750m,年平均気温10.3℃,年降水量1,200mm内外,土壤は榛名火山系浮石質土で,りんご栽培に好適すると考えられる.3)3月の気温はその年のりんごの開花期に関係し,高温な場合に早く開花する.4)標高と開花期との間には一定の関係があり,x=at+r(x:開花期,a:標高,r:1月1日から開花日までの日数)によって表わすことができる.標高100m高くなるにつれて,祝は2.35日,旭2.25日,紅玉2.5日,ゴールデンデリシャス2.36日,国光1.63日のおくれを示している.5)枝の種類によって開花期に差があり,ゴールデンデリシャスは差を認めがたいが,他の品種では短果枝が早く開花し,開花期間も短かい.6)大きい花芽の花は早く開花し,貧弱な花芽の花はおそく,しかも開花期間が長い.7)沼田地方のりんご栽培では霜害防止に留意する必要がある.
- 千葉大学の論文
- 1958-12-30
著者
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