早生温州ミカンの薬剤摘果に関する研究 : I.結果母枝の発育程度および着果位置と薬剤による摘果効果との関係
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概要
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1.1965年度において,早生温州ミカンの結果母枝の発育程度および樹冠における着果位置と,薬剤による摘果効果との関係を調査した.2.供試した薬剤と濃度はNAA 150,300ppm;MH-30 0.25,0.5%;2,4,5-T amid20,30ppmであり,結果母枝の発育程度はその長さ16cm以上をl,11〜15cmをm,10cm以下をsとし,樹冠における位置は上,中,下部の3区分とした.3.薬剤処理は散布法により,NAA,MH-30は花弁脱落期並びに幼果期に,2,4,5-T amidは花弁脱落期にのみ行なった.4.NAA処理では,花弁脱落期散布における有葉果に摘果効果が顕著で,結果母枝の短かいものと樹冠の中,下部に位置する結果母枝の落果がとくに助長されている.幼果期散布でもこの傾向が認められている.5.MH-30処理では,花弁脱落期散布における有葉果,直花果ともに摘果効果が大きく,落果時期が早められている.樹冠の位置では中部および下部の落果が多くなっている.幼果期散布ではやや効果が減少しているが,前述の傾向はほぼ同じである,6.2,4,5-T amid処理では,花弁脱落期散布では結果母枝の長いもの,樹冠上部の落果を助長している.7.果実はNAA処理では正常に発育し,2,4,5-T amid処理では多少肥大促進が認められ,MH-30処理では発育不良果が多くなっていた.8.薬害についてはMH-30で果皮の銹が多くなり,2,4,5-T amid散布では新葉が波状を呈し,果実では花柱がおそくまで残るものが認められた.
- 千葉大学の論文
- 1966-12-31
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