果樹の人工授粉に際しての花粉増量剤について : 油とくにオリーブ油
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概要
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1.1957年度において,果樹花粉の懸濁剤として植物油特にオリーブ油について試験を行った.2.人工発芽床による試験ではナシ花粉(二十世紀)は浸漬2時間,モモ花粉(橘早生),リンゴ花粉(祝,旭),カキ花粉(禅寺丸,ヘグロ柿)では浸漬3時間でも油中の花粉の発芽なく,人工発芽床置床後の発芽率並びに花粉管の伸長ともに良好で,無浸漬花粉のそれに遜色がなかった.3.オイルシンナーとしての酢酸アミルは,添加量は10%以内でないとモモ,ナシ,リンゴ花粉の発芽,花粉管伸長を阻げるが,カキでは10%の添加で支障がなかった.4.ギベレリンの添加はリンゴ,カキ浸漬花粉の発芽率,花粉管伸長によい影響が認められなかった.5.各種植物油中オリーブ油が浸漬用によく次いで菜種油であり,落花生油は不良であった.6.リンゴ祝,旭の場合オリーブ油3時間浸漬花粉によるゴールデンデリシヤスの結果叢歩合,および結果率は無浸漬花粉による場合の100に対し,夫々57,46を示した.7.オリーブ油浸漬花粉により他家交配されたリンゴゴールデンデリシャスの結実果では種子数が少なく,また富有柿では不受精による落果が多かった.
- 千葉大学の論文
- 1959-12-31
著者
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