医的欠陥の体格別死亡指数
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【背景】医的欠陥のうち,血圧,体格,尿蛋白などの定量的項目間での複合欠陥の被保険者集団の死亡指数への影響の報告は多いが,現症や既往症のような定性的項目が,体格別でどのように死亡指数が変化をするのかの報告は少ない。【方法】観察対象は医師による診査で,収縮期血圧140mmHg以上,尿蛋白または尿糖所見(1+)以上は除外した。BMI階級は,狭長体(14.0〜18.9),「ややヤセ」(19.0〜21.9),普通体重(22.0〜24.9),軽度肥満(25.0〜29.9),および肥満(30.0〜34.9)の5区分とした。決定結果は,主契約を標準体で受理したもののうち,欠陥コードを保有していないものを標準体,欠陥コードを保有しているものを限界体とし,主契約を特別条件付きとしたものを標準下体とした。医的欠陥は,第一欠陥コードのみを対象とし,また,第一欠陥コードが手術有りとなっているものは除外した。【結果】体格と死亡指数の関係は,狭長体と肥満で死亡指数が上昇するU字型をしめし,標準体では浅く,標準下体では深くなった。保険年度別の分析では,狭長体の死亡指数は保険年度の浅いところでも高く,逆選択の混入が疑われた。疾患群別での分析では,肥満で指数が上昇するのは循環器系疾患であり,狭長体で指数が上昇するのは呼吸器系疾患,肝疾患,神経系疾患,甲状腺疾患,結核などであった。【結論】疾患群によっては体格別で,死亡指数に大きな差がある。医的査定者は,循環器系疾患では肥満との複合に,その他の疾患では狭長体の複合に注意すべきである。
- 日本保険医学会の論文
- 2005-03-17
著者
関連論文
- 標準体における診査方法別・年齢別死因分析
- 標準体における診査方法別・年齢別死因分析(一般演題B,第102回日本保険医学会定時総会)
- 頭部外傷と危険選択
- 過腹囲は死亡リスクを上昇させるのか?
- 当社における体格(BMI)別の死亡指数
- 年齢別の死因別死亡確率分析とその応用 : 日米比較
- 被保険者集団の死亡指数の変動要因(一般演題B,第105回日本保険医学会定時総会)
- 保険診査における検査と危険選択 : 追加討議
- 保険診査における検査と危険選択 : 心電図検査
- (3)心電図検査(パネルディスカッション,第103回日本保険医学会定時総会)
- 年齢別の死因別死亡確率分析とその応用 : 日米比較(一般演題B,第102回日本保険医学会定時総会)
- 医的欠陥の体格別死亡指数
- 高齢者の生命危険因子および危険選択 : イントロダクション
- 体格と現症・既往症の複合欠陥の死亡指数への影響(一般演題B,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 頭部外傷と危険選択(一般演題A,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 高齢者の生命危険因子および危険選択(パネルディスカッション,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 尿蛋白・体格・血圧の3つの複合欠陥と被保険者集団の死亡指数の関係
- 面接士扱の選択効果に関する考察 : 至適対象の模索(一般演題B,第100回日本保険医学会定時総会プログラム,学会からのお知らせ,学会より)
- 体格・血圧・尿蛋白の3つの複合欠陥と被保険者集団の死亡指数の関係(一般演題A,第100回日本保険医学会定時総会プログラム,学会からのお知らせ,学会より)
- 心電図正常所見による高血圧の美点評価は正当か? : 死因別・保険金額別による分析
- 心電図所見が高血圧と合併した場合の死亡指数への影響
- 血圧の被保険者集団の死亡指数に与える影響 : 特に脈圧と心血管疾患死の関係について
- 健康管理証明書扱における肝機能数値別死亡指数の検討
- 血圧、尿蛋白および尿潜血の複合欠陥別死亡指数の検討
- 気管支喘息の死亡指数および死因の検討
- 当社における特定疾病保障保険支払状況
- 体格および血圧の複合欠陥の死亡指数に及ぼす影響 : 特に狭長体かつ高血圧での死亡指数上昇について
- インターネットと危険選択(情報処理技術の進歩と危険選択 : イメージ査定の問題点を中心として)
- 当社における医的理由による決定前契約確認の状況