体格および血圧の複合欠陥の死亡指数に及ぼす影響 : 特に狭長体かつ高血圧での死亡指数上昇について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
体格と血圧の複合欠陥が死亡指数にどのような影響を及ぼすのかを,当社の被保険者集団を対象に調べた。観察対象は,複合欠陥の影響を広くみるために,第一欠陥に血圧と肥満のコードが入っているものを除外した特別条件付承諾契約を含めたが,死因分析等では,主契約が限界体承諾までのものに限定した。体格は,Body Mass Index (BMI)により狭長体から高度肥満の5区分とし,血圧は,収縮期血圧140mmHg以上を高血圧群とした。結果は以下のとおりである。1)高血圧群では,男性では,各BMI区分のすべてにおいて正常血圧群に比し死亡指数が上昇し,とくに狭長体および高度肥満群において死亡指数の上昇が著明で,体格によるU字型の死亡指数のカーブが増強された。また,高血圧群では,正常体格よりも軽度肥満のほうで死亡指数が低くなった。一方,女性では,高血圧群の死亡指数の上昇は,狭長体で見られたが,正常体格および肥満での死亡指数の悪化の影響は明らかではなかった。2)狭長体かつ高血圧での死亡指数の上昇は,早期死亡の混入の可能性は明らかではなかった。3)狭長体かつ高血圧での死亡指数の上昇を,その影響が最も大きな男性30〜59歳を対象として死因分析をしたところ,心疾患や脳血管疾患のみならず,自殺,事故死,肝硬変およびその他の病死において,狭長体かつ正常血圧群よりも,死因によっては3倍以上の高い死亡指数を示した。これらの所見は,狭長体かつ高血圧に注目することにより,危険選択上有用な手段となりうることを示唆するものである。
- 日本保険医学会の論文
- 2000-12-27
著者
関連論文
- 標準体における診査方法別・年齢別死因分析
- 標準体における診査方法別・年齢別死因分析(一般演題B,第102回日本保険医学会定時総会)
- 頭部外傷と危険選択
- 過腹囲は死亡リスクを上昇させるのか?
- 当社における体格(BMI)別の死亡指数
- 年齢別の死因別死亡確率分析とその応用 : 日米比較
- 被保険者集団の死亡指数の変動要因(一般演題B,第105回日本保険医学会定時総会)
- 保険診査における検査と危険選択 : 追加討議
- 保険診査における検査と危険選択 : 心電図検査
- (3)心電図検査(パネルディスカッション,第103回日本保険医学会定時総会)
- 年齢別の死因別死亡確率分析とその応用 : 日米比較(一般演題B,第102回日本保険医学会定時総会)
- 医的欠陥の体格別死亡指数
- 高齢者の生命危険因子および危険選択 : イントロダクション
- 体格と現症・既往症の複合欠陥の死亡指数への影響(一般演題B,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 頭部外傷と危険選択(一般演題A,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 高齢者の生命危険因子および危険選択(パネルディスカッション,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 尿蛋白・体格・血圧の3つの複合欠陥と被保険者集団の死亡指数の関係
- 面接士扱の選択効果に関する考察 : 至適対象の模索(一般演題B,第100回日本保険医学会定時総会プログラム,学会からのお知らせ,学会より)
- 体格・血圧・尿蛋白の3つの複合欠陥と被保険者集団の死亡指数の関係(一般演題A,第100回日本保険医学会定時総会プログラム,学会からのお知らせ,学会より)
- 心電図正常所見による高血圧の美点評価は正当か? : 死因別・保険金額別による分析
- 心電図所見が高血圧と合併した場合の死亡指数への影響
- 血圧の被保険者集団の死亡指数に与える影響 : 特に脈圧と心血管疾患死の関係について
- 健康管理証明書扱における肝機能数値別死亡指数の検討
- 血圧、尿蛋白および尿潜血の複合欠陥別死亡指数の検討
- 気管支喘息の死亡指数および死因の検討
- 当社における特定疾病保障保険支払状況
- 体格および血圧の複合欠陥の死亡指数に及ぼす影響 : 特に狭長体かつ高血圧での死亡指数上昇について
- インターネットと危険選択(情報処理技術の進歩と危険選択 : イメージ査定の問題点を中心として)
- 当社における医的理由による決定前契約確認の状況