急性心筋梗塞後心室中隔穿孔の外科治療
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概要
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1980年から1992年の間に手術治療を行った急性心筋梗塞後心室中隔穿孔は12例であった。手術例は,手術生存群(I群)と手術死亡群(II群)の2群に分け,内科的治療のみの例(非手術群)を合せて検討した。I群は男性5例,女性5例の計10例で,平均年齢は69.7歳,II群は男性1,女性1の計2例で,平均年齢は78.5歳であった。また非手術群は男性2例,女性2例の計4例で,平均年齢は75.8歳であった。当科では,この様な症例に対して大動脈内バルーンパンピングおよび強力な薬物療法を行い3週間待期した後手術を施行する方針をとった。ただし,それ以前に循環動態の悪化あるいは多臓器不全が認められた場合は緊急手術を行った。手術を施行したI群II群合せての手術死亡率は16.7%,病院死亡率は41.7%であった。非手術群は100%死亡した。手術予後に影響する重要な要素として,体外循環時間(I群:175分,II群:250分)大動脈遮断時間(I群:89分,II群:138分)が考えられた。また下壁梗塞を呈していた症例,広範囲な心筋切除を必要とし術後低心拍出症侯群に陥った症例,長期ICU滞在による感染から敗血症となった症例の予後が不良であった。
- 北里大学の論文
- 1992-12-31
著者
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