犬腎移植における,術前の段階的全身リンパ節放射線照射とサイクロスポリンの相乗効果について
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概要
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最近増加しつつある,既成のHLA抗体を持つ患者に対する治療の方策として,全身リンパ節放射線療法が効果的である。特に高いHLA抗体価を持つ患者の腎臓移植でも大きな問題となってきている。今回,我々は犬を使用した腎臓移植においてTLI(Total Lymphoid Irradiation)の,特にその照射方法および時期を工夫することにより,この問題の解決を試みた。犬を,皮膚移植およびbuffy coat注入によって感作した後TLIを施行した。感作された犬を2群に分け,一方は連続して,もう一方は間に休止時期をおいて2段階にTLIを実施した。まったく免疫抑制剤を使用しないコントロール群(5頭)が,平均6.5日で拒絶されたのに対し,サイクロスポリン,メチルプレドニゾロンを使用した群(3頭)は,平均9.0日,連続TLI群(3頭)は,平均26.7日であった。更に2段階TLI群(4頭)は,4頭とも8週間以上生存し,移植された腎臓はすべて生着した。また,2段階TLI群では20日以内には,可逆性の拒絶反応も出現せずその有用性が認められた。
- 北里大学の論文
- 1992-12-31
著者
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