新生児期の純型肺動脈閉鎖症に対する外科治療

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純型肺動脈閉鎖症の新生児期の外科治療の成績は,近年向上してきているが,未だ満足すべきものではなく,手術法の選択についても議論の多いところである。今回,我々の経験した8例の純型肺動脈閉鎖症について,特に右室の形態と選択した手術法を,文献的考察を加え検討した。各症例は右室形態から3群に分類し,また右室の成長の程度を三尖弁の計測によって,Rowlattらの報告した正常児のものと比較した。最も良好な右室形態を呈した6例の内,5例にprimary operationとして,transventricular valvotomy (経右室的肺動脈裂開術)を行なったところ,3例が術後数日内に追加再手術が必要となった。再手術は,aortopulmonary shunt (大動脈肺動脈短絡術)2例,transpulmonary valvotomy (経肺動脈的肺動脈裂開術)1例を行なったが,手術の危険率は高かった。このことより,右室形態が良好でもvalvotomyに加えshuntの必要な症例も多く,再手術を避けるため術前の慎重な適応の検討が必要であると思われた。また,経過観察中の2例の死亡があり,definitive operationの必要性を常に考慮した注意深いfollow-upが必要である。また,右室形態の不良なものは,shunt手術の適応であるが,出来るだけvalvotomyも行なって,右室の減圧を図るべきである。新生児期に行なう右室流出路の再建術の適応は慎重に行ない動脈管や心房中隔の欠損等の処理についても十分な検討が必要である。
北里大学の論文
1989-02-28

新生児期の純型肺動脈閉鎖症に対する外科治療

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