血液疾患と消化管出血 : 特に白血病を中心に

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概要

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血液学臨床における消化管出血の内容について検討した。入院を要した血液疾患患者にみられる顕性の吐下血は,363例中71例(19.6%)であるが,その内訳では慢性骨髄性白血病48例中14例(29.1%),急性白血病93例中21例(22.6%),特発性門脈圧亢進症69例中17例(24.6%)の三者がその大半(71例中52例,73.2%)を占めた。白血病の吐下血に関しては,慢性骨髄性白血病では,慢性期における胃・十二指腸潰瘍の併発が特徴的であり,48例中6例が診断前に胃・十二指腸切除術を受けている。一方,急性白血病における吐下血は,発症後に限られ,その組織像は組織反応に乏しい多発性の粘膜病変を示すものが多く,その主因として顆粒球や血小板の減少,抗白血病剤の使用があげられるが,一方に,局所の細血管周辺の凝固線溶系の傷害が主因と推定されるものがあり,今後の検討の課題と考えられる。
北里大学の論文
1981-02-28

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