広視野電顕像によるヒト白血病骨髄静脈洞の定量形態学的研究
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概要
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ヒト白血病生検骨髄を用い,脱灰せずに透過および走査電顕観察を行った。特に,広視野の透過電顕観察はLEM 2000にて行い,ヒト白血病骨髄の静脈洞を定量形態学的に検討した。その結果,静脈洞の直径,周長,洞内腔および洞内皮の面積はいずれも,白血病と対照間では有意差はなかった。洞周囲細網細胞の洞被覆率(A.C.C.R.)は急性白血病(AL),慢性骨髄性白血病(CML)いずれも対照に比し有意に(p<0.001)少なく,A.C.C.R.の減少が白血病細胞の遊出に密接に関連しているものと考えられる。洞内皮のpore数ではCMLはA.L.に比し有意に(p<0.03)多く,CMLでは白血病細胞が一塊となって遊出している像が目立ち,白血病細胞の遊出様式がALとCMLとでは異なるように思われる。CMLの洞内の血球数ではporeのある静脈洞の方がないものに比して有意に(p<0.001)多くの血球を有しており,poreの分布は不均一であることが示唆される。
- 北里大学の論文
- 1984-10-31
著者
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