血液・リンパ系疾患におけるLeucine Amideを基質としたLeucine Aminopeptidase活性の臨床的意義
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概要
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血液リンパ系疾患におけるleucine amide (LA)を基質としたleucine aminopeptidase (LAP)活性の意義を解明するため,血清をはじめとして,白血病細胞,リンパ節組織,胸水および髄液を対象にLAP電気泳動を含めて検討した。血清LA活性は,慢性骨髄性白血病(CML)の移行型と芽球性急転例,悪性リンパ腫のT cell typeと病期の進行した症例で上昇し,良性リンパ系疾患でもT cell系に病変を有する症例で上昇した。白血病細胞では,いずれの病型でも細胞の幼若性が増すほど細胞内LA活性は低値を示した。悪性リンパ腫のリンパ節組織内LA活性はT cell typeで高値を示した。LAP電気泳動では,LA活性はβ位の泳動として表現されたが,細胞,組織および疾患特異性は認めなかった。血清LA活性は,主にCMLとT cell系に病変を有する疾患の患者で病像を鋭敏に反映し,個々の病態を把握する上で極めて有意義な指標になるものと考えられた。
- 北里大学の論文
- 1982-12-31
著者
-
平沢 康
臨床病理
-
林 正俊
北里大学医学部・内科学
-
林 正俊
北里大学 臨床病理
-
平沢 康
北里大学医学部・臨床病理学
-
徳弘 英生
北里大学医学部・内科学
-
林 正俊
北里大学大学院医学研究科・内科学
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