SF-36による小児腎不全患者のQOL評価
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概要
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腎移植は, 小児の末期腎不全の治療としてすでに欠かせないものとなっている。そしてその症例の大部分は, 救命ではなくQOL (Quality of Life) の向上を目指していると思われる。しかしながらこれまで, 小児における腎移植療法が, 本当にQOLを向上させているのかどうか, 客観的な指標を用いて明らかにした報告は非常に少ない。本研究では, SF-36を用い, 小児期の腎移植療法が腹膜透析療法や血液透析療法に比し, QOLの向上に寄与しているかどうかを検討する目的で, 日本で初めての全国調査を行った。対象は, 15歳以下で透析療法あるいは腎移植療法を導入され, 現在16歳以上29歳以下の慢性腎不全患者である。結果を示す。(1) 移植腎生着群 (TX) は, 腹膜透析治療群 (PD) および血液透析治療群 (HD) よりQOLが高い。(2) TXの中には, SF-36のサブスケール得点が非常に低値なものが存在した。(3) PDとHDでは, HDの方がQOLが高く, とくにPD男性のQOLが低い。移植腎生着群のQOLの良さは, 多くの同様の調査をさらに裏付けする結果であったが, 低QOL群の存在についてはさらなる調査が必要と思われた。小児では腹膜透析が広く用いられており, 今回の結果からは, 治療法の選択の再考する必要があると考え, その原因について考察した。
- 2003-03-31
著者
-
吉矢 邦彦
原泌尿器科病院腎臓内科
-
本田 雅敬
東京都立清瀬小児病院腎臓内科
-
吉矢 邦彦
原泌尿器科病院腎内科
-
吉矢 邦彦
原泌尿器科病院 薬剤部
-
吉矢 邦彦
原泌尿器科病院
-
伊藤 雄平
久留米大学医療センター小児科
-
小林 明子
神戸大学大学院医学系研究科成育医学講座小児科学
-
伊藤 雄平
久留米大 医療セ 小児科
-
伊藤 雄平
久留米大学医学部
-
本田 雅敬
東京都立清瀬小児病院
-
本田 雅敬
東京都清瀬小児病院 小児科
-
吉矢 邦彦
原泌尿器科病院 腎臓内科･透析室
-
伊藤 雄平
久留米大学 医療センター 小児科
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