中年非肥満男性における内臓脂肪蓄積の発見のための回帰分析による内臓脂肪面積の推定法
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概要
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日本肥満学会が設定した肥満症と内臓脂肪型肥満の診断基準は、BMI値25以上が対象となっている。しかし、BMI値25未満の非肥満者の中にも、腹部CT撮影から得られた内臓脂肪面積が内臓脂肪型肥満の診断基準値である100cm^2を超える例が多く見られる。今回我々は40歳〜59歳の中年非肥満男性42例(内臓脂肪正常・非肥満者26例、内臓脂肪蓄積・非肥満者16例)を被験者として、CT撮影を行なわなくても内臓脂肪面積の推定が可能となるか否かの検討を行なった。内臓脂肪面積と有意な相関が認められたDEXA法による総脂肪量(r=0.689)、C-ペプタイド濃度(r=0・580)、白血球数(r=0.376)と、皮下脂肪面積とは白血球数とともに全く相関を認めなかったリンパ球(%)、これら4つを独立変数とした推定式を使用することで、内臓脂肪面積との相関係数r=0.856、標準誤差21.07cm^2という非常に高精度の推定式(本文参照)を得ることが可能であった。一般に、インピーダンス法から得られる体脂肪量はDEXA法による総脂肪量との相関が強いことが知られている。従って、この推定式は肥満症のスクリーニングとしてだけではなく、X線被爆や費用面の問題から繰り返しCT検査を行ない難い内臓脂肪蓄積者の経過観察に対する補助手法としても使用は可能と考えられた。
- 神戸大学の論文
著者
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傳 秋光
神戸大学医学部保健学科
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谷口 洋
神戸大学医学部保健学科
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傅 秋光
神戸大学医学部保健学科
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傳 秋光
兵庫県立総合リハビリテーションセンター リハビリ療法部
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岡部 修一
神戸大学医学部保健学科
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山下 修司
神戸大学医学部保健学科
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増田 安俊
兵庫県立姫路工業大学工学部電子工学科
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博秋 光
神戸大保健学科
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