体型・身体組成からみた肥満症とメタボリックシンドローム

概要

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メタボリックシンドローム(MS)の診断基準の適否を検討する目的で、40〜50代男性86名(平均年齢51.2±5.2歳)をウエスト周囲径(W)≧85cmかつ内臓脂肪面積(V)≧100cm^2をA群、V<100cm^2をB群、W<85cmかつV≧100m^2をC群、V<100cm^2をD群に分類し、以下の検討をした。結果は1)MSはA群に33.3%、B群に13.3%存在した。危険因子(血圧高値、高脂血症・高血糖)が2以上はC群に25%、D群に2.8%含まれていた。2)A群:C群の比較では(1)体重・BMI・Wに有意差を認め、C群はBMIでは非肥満症であった。(2)上肢の筋肉量/脂肪量比(M/F比)、全身脂肪量に対する下肢脂肪量(F比)ともに有意差を認めなかった。しかし、C群:D群の比較ではこれらは有意に低値を示した(各3.2±0.9:4.4±1.6,28.9±4.4:34.4±6.9,P<0.01)。(3)V・皮下脂肪面積(S)・S/V・血圧・血液値に有意差を認めなかった。従って、1)A群とC群は身体組成的には差異はなく、D群と比較しM/F比、F比の低値が特徴的である。2)WではMSの診断基準外でも、内臓脂肪蓄積を伴い他のリスクも合併する"MS型"が存在すると考えられた。