高齢者起立補助シートの開発 : 座面の上昇速度と前傾角度が使用者の身体・心理面に与える影響

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概要

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本研究は、高齢者起立補助シートを試作し、上昇速度、座面の傾斜が利用者に与える身体的・心理的影響について下肢筋の筋電図および評定尺度法を用いたアンケ-トを行い、より安全で実用性のある速度ならびに前傾角度について分析検討することを目的とした。対象者は、健康な女子学生20名で、平均年齢22±4.9歳であった。その結果、高齢者起立補助シートを使用した場合の筋活動量では、通常の椅子からの立ち上がりに比べ前脛骨筋・下腿三頭筋では筋活動量に統計学的な差はなかったが、大腿直筋・ハムストリングスでは筋活動量は有意に減少していた。また、安全性・実用性の面から、上昇速度・前傾角度が心理的に良好に作用したり、逆に否定的に作用するといった、何らかの影響を及ぼすことが明らかとなった。これらのことより、障害者や高齢者の起立動作の自立、介護負担の軽減から、起立補助シートは、効果的福祉用具となりうる可能性があることが示唆された。
神戸大学の論文

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