脳卒中片麻痺患者に対する理学療法評価項目の検討

概要

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本研究の目的は、理学療法士の所属施設や経験年数、脳卒中片麻痺患者の発症からの時期による理学療法評価項目及び評価項目選定の優先順位の違いと、理学療法評価の達成度についての自己評価を検討することである。兵庫県内に勤務する理学療法士を対象に郵送法によるアンケート調査を実施し218名より回答を得た(回収率:50.3%)。その結果、理学療法評価項目において、発症からの時期別の比較では能力障害や社会的不利に関する評価頻度が回復期及び慢性期では有意に高く、経験年数別の比較では新人群で評価を実施する頻度が高いことが判明した。評価項目選定の優先順位では、急性期群と慢性期群とでその傾向が逆転していた。評価の達成度についての自己評価では、熟練群で満足度が高いことが確認された。以上より、理学療法士は各施設の位置付けや役割の違いに応じて、対象者の発症からの時期を考慮した上で、理学療法評価項目を選択し、優先順位を決定していること、並びに臨床経験を積み重ねることで能力を高めていると考えられた。
神戸大学の論文