地域高齢者の転倒要因における考察 : 体力の観点から

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概要

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今回我々は、転倒の危険因子に於いて生活を送る上で基本的な条件である体力について文部科学省高齢者用新体力テストを用い、過去1年間の転倒の有無、運動習慣等との関連性を調査した。対象者は、兵庫県姫路市船場地区に在住する65歳以上の地域高齢者104名とした。本調査では、104名中総合体力が低下していた者は70名、維持・高い者は34名、転倒経験者は36名であった。総合体力と転倒との関係では体力の高いと低いとの2群間で有意差が認められ、さらに総合体力の構成要素と転倒との関係では握力、上体起こし、10m障害物歩行、6分間歩行で有意差が認められたが、開眼片足立ち、長座体前屈には差が認められなかった。以上のことから転倒予防には体力の維持、向上は重要と考えられ、特に筋力要素の強化が果たす役割が大きいことが示唆された。また、当体力テストの実施は個々の自己認識を高め、健康を自らコントロールしようとするヘルスプロモーションの概念を導入する手段として役立つと考えられる。
神戸大学の論文

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