DEXA法による全脂肪量・全筋量・両下肢全重量と腹部CT臍レベル内臓脂肪断面積との関連

概要

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倫理的な配慮のもとで検査に同意が得られた、通常動務を行う男性会社員43名(23〜58歳、平均年令39.7±10.8歳)を被検者とした。体型計測成績とDEXA法による筋量・脂肪量・体重計測成績を基に、腹部CT撮影による臍レベルの内臓脂肪断面積(VisceralFatArea,VFA)や皮下脂肪断面積(Subcutaneous Fat Area, SFA)との関係を、20〜30歳代(23名、23〜38歳、以下A群)と40〜50歳代(20名、41〜58歳、以下B群)に分けて検討した。VFAが100cm^2以上の例は13名存在したが、この内8例はBMIが25未満(22台が4例、23台が3例、24.4が1例)の普通体重で、個々のウエスト周囲径は、81.0、81.0、82.0、83.0、84.0、84.4、85.0、88.0cmであった。定説通り、各群ともにウエスト周囲径はVFAと順相関を示した。また、体脂肪率は年齢と順相関を、体重に対する全身の筋量(即ち体筋率)は年齢と逆相関を示した。なお、VFAは年齢と順相関(r=0.582,p<0.001)を認めたが、SVFは年齢と相関を認めなかった。更に、BMI25未満ではVFAと体脂肪率との間にはA群で、より強い順相関を認めた(A群:r=0.664,p<0.01、B群:r=0.518,p<0.05)。また、BMI25未満ではVFAと体筋率との間にもA群で、より強い逆相関を認めた(A群:r=-0.668,p<O.01、B群:r=-0.524,p<0.05)。一方、体重に対する両下肢全重量の比率は年齢と逆相関(r=-0.600,p<0.001)を示し、A群、B群とも全体の検討ではVFAとは逆相関を示した。(A群:r=-0.441,p<0.05、B群:r=-0.671,p<0.01)。これらの結果は、1)中年になっても青壮年時代と体重が変わらないという状態でも、下肢重量の減少と内臓脂肪量の増加という相殺のためであるという症例が存在し得ること、2)年齢を考慮した際には、骨密度計測のために繁用されるDEXA法でも同時にVFAの推定がある程度可能となること、特に体型計測では判然としない範囲を含めた内臓脂肪型肥満症例の発見に有用な手段となることを示唆する。
神戸大学の論文

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