精神看護学臨地実習における看護学生の自我状態の変化について : 実習前後のTEG(東大式エゴグラム)比較を通して

概要

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目的 : 本研究の目的は,精神看護学実習前後のエゴグラム変化の分析を通して,精神看護学実習における患者や臨床スタッフとの関わりのなかで,学生の心の状態がどのように働くかを明らかにすることである.方法:分析の対象は,調査協力に同意を得られた学生63名の精神看護学実習前後のエゴグラム(東大式エゴグラム:TEG)である.結果:TEGを用いて実習前後の学生の自我状態の変化を比較すると,FC(自由な子ども)尺度は有意に上昇し,AC(順応した子ども)尺度は有意に低下した.また,実習前後のTEG質問項目の回答変化では,「大勢の前でものおじせず話ができる」「目標が高いと言われる」「のびのびと振る舞うことができる」「常にその場を楽しむことができる」の4項目で回答変化に有意差が認められた.更に,実習前後のエゴグラムパターンで変化が多いのは,AC優位型,NP優位型であり,実習環境の違いが実習前後のエゴグラム変化に影響していた.結論 : これらの結果から,臨地実習を通し実際に患者と接するなかで,精神障害者に対する正しい知識を得て,恐怖心や不安から解放され,学生の自我状態に変化が起きていたことが明らかとなった.
群馬県立県民健康科学大学の論文