英文の読解時におけるParafoveal Preview Benefit効果の実現(一般セッション(2), ユビキタスメディアの将来展望)
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概要
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英文を読んでいるときに単語上で行われる凝視は, その凝視の1回前に行われた凝視の振る舞いにより影響を受ける.単語上で最初に行われる凝視を凝視Cとし, 凝視Cの1回前の凝視を凝視Bとする.これら2つの凝視Bと凝視Cの関係において, 次の2つの現象が報告されている.1つ目の現象は凝視Bの凝視位置と凝視Cの凝視位置の間の距離が短くなるに従い, 凝視Cの凝視時間は短くなる現象である.この現象はparafoveal preview benefit効果と呼ばれる.2つ目の現象は凝視Bの凝視時間が短くなるに従い, 凝視Cの凝視時間は短くなる現象である.本稿ではこれら二つの現象が現れる英文の読解時の視点移動をコンピュータ上でシミュレートする.他方で円の中心が灰色であり中心から離れるに従い徐々に白くなる濃淡画像の円の中心を凝視した場合に, 円の中心が灰色から白色へ変化し, 濃淡の部分が次第に見えなくなる現象が起こる.この現象はTroxler効果と呼ばれる.円の中心を凝視しているときには視点移動の移動距離が短いことから, 視点移動の移動距離が短いときに中心窩視覚でサンプリングされる点の数が減りTroxler効果が現れることが示唆される.本稿ではまず視点移動の移動距離が一定の距離以下であるときに, 文字を粗にサンプリングすることによりTroxler効果を実現する.次に視点移動の移動距離が6文字幅以下であるときに, 中心窩視覚でサンプリングされる文字の解像度を20%以下に減らすことにより, シミュレートされた視点移動にparafoveal preview benefit効果と, 凝視Bの凝視時間が短くなるに従い凝視Cの凝視時間は短くなる現象が現れることを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-01-13
著者
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