非停止永久故障に耐性を有する自己安定生成木構成プロトコル
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概要
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ネットワークで相互接続された多数のプロセスから構成される分散システムにおいて,プロセス故障にかかわらず正しく動作するプロトコルを設計開発することが重要である.このような故障耐性を有するプロトコルの設計パラダイムとして,自己安定プロトコルが有望視されている.自己安定プロトコルとは,任意のネットワーク状況から実行を開始しても,解を求めて安定するプロトコルである.この性質から,自己安定プロトコルは任意の一時故障に対する故障耐性を有する.本論文では,状態通信モデル上で,一時故障だけでなく,永久故障に対する故障耐性も有する自己安定プロトコルについて考察する.まず,永久故障の新たなクラスとして,非停止永久故障を定義する.そして,ネットワークの生成木を構成する問題に対し,非停止永久故障プロセスが存在しても,問題を解く自己安定プロトコルを提案する.提案するプロトコルの安定時間はたかだかn(n/2+F)dラウンドである.ここで,nはプロセス数,dはネットワークの最大次数,Fは故障プロセスの状態変化が観測されるまでの時間の上界(定数)である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-11-01
著者
-
増澤 利光
大阪大学大学院情報科学研究科
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片山 喜章
名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻
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藤原 秀雄
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
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片山 喜章
奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター
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浮穴 学慈
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科
-
浮穴 学慈
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科:(現)高松大学経営学部
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