神奈川県下の小学生保護者のフッ化物応用における意識構造
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概要
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神奈川県下の歯科医療サービス状況や地域特性の異なる3つの地域を選択し,その地域内にある小学校の保護者を対象としてフッ化物応用に対する意見や態度を質問紙法によって調査した。質問票は,フッ化物応用に関する仮説的意識構造モデルに従って作成し,そのモデルを構成する要因相互の関係についても分析した。そして,以下の結果を得た。1.フッ化物応用に対する意見や態度に3地域間に大きな差はみられなかった。全体的に上水道フッ化物添加に対しては否定的であったが,局所応用についてはこれを支持する者が多く,特に家庭内でのフッ化物の応用に賛成する者は73%であった。しかし,ほとんどの質問で「どちらでもない」への回答が多く,その原因の1つとして正しい知識や情報が適切に伝えられていないことがあげられるようであった。2.全体の70%が子供にフッ化物塗布を経験させており,その経験が局所応用への支持に影響を与えているようにみられるが,継続して実行している者は10%以下であった。3.共分散構造分析の結果,「疾患への不安」や「歯科医療への満足」と関連した「予防への積極的態度」は「フッ化物の局所応用への支持」に結びついているものの,上水道フッ化物添加に対しては否定的要因となっていた。また,「フッ化物の塗布経験」だけが強く「局所応用への支持」に影響していたけれども,「フッ化物に関する知識」は,どの応用方法に対しても関連性は低かった。
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
- 1999-04-30
著者
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鶴本 明久
鶴見大学歯学部予防歯科学
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北村 中也
鶴見大学歯学部
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篠原 豊
鶴見大学歯学部予防歯科学教室
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福島 眞貴子
鶴見大学歯学部予防歯科学教室
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神山 和美
鶴見大学歯学部予防歯科学教室
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鶴本 明久
鶴見大学歯学部 予防歯科学講座
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鶴本 明久
鶴見大学歯学部予防歯科学講座
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鶴本 明久
東海大学 医学部外科学系口腔外科
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福島 眞貴子
鶴見大学歯学部予防歯科学講座
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