NC/NgaTndアトピーマウスのかゆみを伴う皮膚病変部における神経成長因子の発現(免疫学)
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概要
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アトピー性皮膚炎における皮膚のかゆみに神経親和性因子が関与する可能性が示唆されているが, かゆみが誘発される正確なメカニズムは不明なままである.神経成長因子は知覚神経の発達や機能に重要な作用を持つことから, われわれは, NC/NgaTndマウスの皮膚における神経成長因子の産生と神経線維の伸長を検討した.NC/NgaTndマウスは, 空気清浄を行っていない通常の環境で飼育すると, アトピー性皮膚炎類似の皮膚炎症状を自然発症する.NC/NgaTndマウスの引っ掻き行動を, かゆみ行動解析システムを用いて, 皮膚炎症状の推移に従い定量化し皮膚炎スコアと比較したところ, 臨床症状の悪化と引っ掻き行動の増加は良く相関していた.このことから, 引っ掻き行動と臨床症状は関連していることが示唆された.NC/NgaTndマウスの皮膚病変部における神経成長因子の発現は, SPFマウスと比較して有意に増加していた.NC/NgaTndマウスの皮膚では, ケラチノサイトや線維芽細胞において神経成長因子の陽性反応を示していた.免疫組織染色により, この時PGP9.5陽性の神経線維が真皮から表皮へ向けて, 伸長していることが観察された.これらの結果から, 神経成長因子によって誘導される末梢知覚神経がかゆみの発現を誘導し, 病変部で発現する神経成長因子がアトピー性皮膚炎患者の皮膚における知覚過敏をもたらす可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-09-25
著者
-
田中 あかね
東京農工大学大学院共生科学技術研究院獣医分子病態治療学
-
松田 浩珍
東京農工大学大学院共生科学技術研究院獣医分子病態治療学
-
松田 浩珍
東京農工大学 農
-
松田 浩珍
東京農工大学農学部獣医学科臨床免疫学
-
松田 浩珍
東北大学 院 農 生体分子機能学
-
田中 あかね
東京農工大学共生科学研究院
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