上皮成長因子を含有するゼラチンフィルム被覆剤による皮膚創傷治癒の促進効果(免疫学)
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概要
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本研究では, 上皮成長因子を含有するゼラチンフィルム被覆剤が皮膚創傷の治癒を促進する新たな治療剤として有用であるか否かについて, in vivoで検討した.NIN3T3線維芽細胞およびPAM212ケラチノサイトは, 上皮成長因子を含有するゼラチンフィルムのホモジネートを加えて培養すると, 濃度依存的に増殖した.このことから, ゼラチンシートはシート作成の過程を通じて, 上皮成長因子の生物活性を維持していることが示された.創傷治癒促進効果を調べるために, ヘアレスドッグの背部皮膚に部分的欠損創傷を作成し, 上皮成長因子あるいは対照ゼラチンシートで被覆した.上皮成長因子を含有するゼラチンシートで被覆した創傷は, 対照シートで被覆した創傷と比較して治癒が促進され, より早期に再上皮化および皮下における細胞外マトリックスの高度な再構成が認められた.以上の結果から, ゼラチンフィルムは上皮成長因子の生物活性を保つ有用な素材であり, 上皮成長因子を含有するゼラチンフィルムは, 表皮あるいは真皮にまで到達する皮膚の部分創傷に対する有効な治療被覆剤となりうる可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-09-25
著者
-
田中 あかね
東京農工大学大学院共生科学技術研究院獣医分子病態治療学
-
松田 浩珍
東京農工大学大学院共生科学技術研究院獣医分子病態治療学
-
松田 浩珍
東京農工大学 農
-
松田 浩珍
東京農工大学農学部獣医学科臨床免疫学
-
田中 あかね
東京農工大学共生科学研究院
-
長手 寿明
信州大学 医学部病理学
-
長手 寿明
東京農工大学大学院共生科学技術研究部動物生命科学研究部門獣医分子病態治療学講座
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