リアルタイムPCRによる脱脂粉乳中の黄色ブドウ球菌数測定(公衆衛生学)
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概要
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2000年6月に関西地方において, 低脂肪乳中の黄色ブドウ球菌エンテロトキシンAを原因とする大規模食中毒が発生した.この低脂肪乳の原材料である脱脂粉乳からも, 黄色ブドウ球菌エンテロトキシンAが検出された.しかし, 低脂肪乳・脱脂粉乳ともに培養法では黄色ブドウ球菌を検出できなかった.これは, 脱脂粉乳製造時の加熱工程で, 黄色ブドウ球菌が死滅したためと考えられる.そのため, 脱脂粉乳を汚染していた黄色ブドウ球菌の菌数を調べることは出来なかった.今回, 脱脂粉乳中の死滅した黄色ブドウ球菌をリアルタイムPCRで定量的に評価する方法を検討し, この食中毒の原因となった脱脂粉乳10ロットの黄色ブドウ球菌数を調べた.製造された順に, 各ロットの黄色ブドウ球菌数を比較すると, 時間経過に伴って菌数が2度増加していたことが明らかになった.また, エンテロトキシンAが検出できないロットにおいても黄色ブドウ球菌汚染を確認できた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-10-25
著者
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牧野 壮一
帯広畜産大学畜産学部家畜微生物学教室
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牧野 壮一
帯畜大・大動物特殊疾病研
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牧野 壮一
帯広畜産大
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池田 徹也
北海道立衛生研究所微生物部
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玉手 直人
北海道立倶知安保健所
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山口 敬治
北海道立衛生研究所微生物部
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山口 敬治
北海道立衛生研究所
-
Makino S
Obihiro Univ. Agriculture And Veterinary Medicine Hokkaido
-
Makino S
Obihiro Univ. Agriculture And Veterinary Medicine Hokkaido Jpn
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