運動機能障害を呈する猫におけるボルナ病ウイルス非構造タンパク質p10に対する抗体保有率(ウイルス学)
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概要
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原因不明の運動機能障害を呈する飼い猫および呈さない飼い猫について, ボルナ病ウイルス(BDV)のp10およびp24タンパク質に対する血中抗体をウエスタンブロット法で検出し, 抗体保有率の比較から猫の運動機能障害とBDV感染との相関性を検討した.その結果, 抗p10抗体および抗p24抗体の両方あるいはどちらかの抗体の保有率は, 運動機能障害を呈する猫で46.2%(24/52), 運動機能障害を呈さない猫で23.7%(36/152)と前者が統計学的に有意に高値であった.一方, 陰性対照とした30頭のSpecific pathogen-free猫では抗p10抗体および抗p24抗体は検出されなかった.以上の結果, 猫の原因不明の運動機能障害にBDV感染が関与している可能性が示唆された.また, 抗BDV抗体陽性の猫は, 少なくとも抗p10抗体あるいは抗p24抗体のいずれかを保有していたことから, 猫における抗BDV抗体の検査にはp10およびp24の両方を抗原として用いる必要があると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-12-25
著者
-
生田 和良
大阪大学微生物病研究所ウイルス免疫分野
-
生田 和良
大阪大学微生物病研究所 ウイルス免疫分野
-
生田 和良
北大・免疫研
-
生田 和良
酪農学園大学
-
望月 雅美
共立製薬(株)臨床微生物研究所
-
望月 雅美
共立製薬(株)臨床微生物研究所:共立製薬(株)先端技術開発センター
-
LAI Patrick
Department of Biosciences, Salem-Teikyo University
-
大内 敦夫
共立製薬(株)先端技術開発センター
-
岸 雅彦
共立製薬(株)つくば中央研究所
-
小林 剛
大阪大学微生物病研究所ウイルス免疫分野
-
MALIK Tahir
Department of Biosciences, Salem International University
-
Kishi Masahiko
Tsukuba Central Laboratories Kyoritsu Seiyaku Corporation
-
Lai Patrick
Department Of Biosciences Salem International University
-
Mochizuki Masami
Laboratory Of Clinical Microbiology
-
Malik Tahir
Department Of Biosciences Salem International University
-
生田 和良
大阪大学微生物病研究所
-
望月 雅美
Laboratory Of Clinical Microbiology Kyoritsu Seiyaku Corporation
-
Ikuta K
Osaka Univ. Osaka Jpn
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