犬肥満細胞腫に対するレチノイドの増殖抑制およびアポトーシス誘導効果の検討(外科学)
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概要
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レチノイドはヒトでは様々な腫瘍で抗腫瘍効果が認められているが,犬における治療報告は少ない.そこで我々は,肥満細胞腫に村するレチノイドの抗腫瘍効果に関して検討するため,3種類の細胞(CoMS, CM-MCとVI-MC)にレチノイドを投与し,増殖抑制試験とアポトーシスの検出をin vitroにて行った.細胞間でレチノイドに対する感受性に差があったものの,いずれの細胞においても濃度依存的に有意な増殖抑制が認められた.また細胞周期およびカスパーゼの活性測定により,レチノイドはカスパーゼ依存的に肥満細胞腫にアポトーシスを誘導することが明らかとなった.またウェスタンブロッティング法により,レチノイドレセプターであるRARとRXRも全ての細胞で検出された.これらの結果から,レチノイドが細胞にアポトーシスを誘導することにより,肥満細胞腫細胞の増殖を抑制することが分かった.また,いずれの細胞もレチノイドレセプターを有していたことから,これらのレセプターを介して増殖抑制が起こったものと考えられた.レチノイドは,イヌ肥満細胞腫に対して有効な治療法となりうる可能性が示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2006-08-25
著者
-
影近 弘之
東京医科歯科大学・疾患生命研
-
望月 学
東京大学大学院医学系研究科感覚・運動機能医学講座口腔外科学
-
佐々木 伸雄
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻外科学研究室
-
西村 亮平
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻外科学研究室
-
高橋 敏雄
農林水産省動物医薬品検査所
-
高橋 透
農業生物資源研究所生殖機構研究ユニット
-
西村 亮平
東京大学動物医療センター
-
西村 亮平
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
高橋 朋子
日本大学生物資源科学部総合臨床獣医学研究室
-
佐々木 伸雄
東大
-
高橋 朋子
日本大学生物資源科学部
-
佐々木 伸雄
東京大学農学部
-
佐々木 伸雄
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医外科学研究室
-
Tanaka Neide
東京大学農学部獣医外科学教室
-
影近 弘之
東京医科歯科大学 大学院疾患生命科学研究部
-
影近 弘之
東京医科歯科大学大学院疾患生命科学研究部
-
中川 貴之
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医外科学研究室
-
望月 雅美
共立製薬(株)臨床微生物研究所
-
中川 貴之
東京大学 獣医病理
-
高橋 敏雄
動物用抗菌剤研究会
-
中川 貴之
東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医外科学研究室
-
宮島 望
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医外科学研究室
-
大橋 絵美
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医外科学研究室
-
望月 学
東京大学大学院 獣医外科
-
Tanaka N
東京大学農学部獣医外科学教室
-
望月 雅美
鹿児島大学農学部家畜微生物学講座
-
森松 正美
北海道大学遺伝子病制御研究所附属疾患モデル動物実験施設
-
Mochizuki Masami
Laboratory Of Clinical Microbiology Kyoritsu Seiyaku Corporation
-
望月 雅美
共立商事株式会社臨床微生物研究所
-
望月 雅美
鹿児島大学農学部獣医学科家畜微生物学
-
Nishimura R
Yamaguchi Univ. Yamaguchi Jpn
-
Takahashi Toshio
National Veterinary Assay Laboratory
-
影近 弘之
東京医科歯科大学
-
佐々木 伸雄
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
影近 弘之
東京医科歯科大・生材研
-
西村 亮平
東京大学農学部
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