産卵低下症候群 1976(EDS-76) ウイルスの分離
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概要
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1979年10月から1980年3月にかけて発生した, EDS-76によく似た産卵異常を主徴とする疾病の病原検索を行なったところ, ブロイラー種鶏群の糞便からウイルス(H-162株)が分離された. H-162株は二重免疫拡散法, 血球凝集抑制(HI)試験により既知のEDS-76ウイルスと区別できなかった. 羅患鶏群ではこのウイルに対する抗体が産生された. H-162株の増殖は5-iodo-2'-deoxyuridineにより阻止され, その感染性はエーテル, クロロフォルムならびに酸処理(pH3.7)に抵抗性であった. H-162株は平均孔径100nm以上のメンブランフィルターで容易に〓過されたが, 50nmのフィルターは通過しなかった. ニワトリ胎児の肝, 腎ならびに線維芽細胞, ニワトリ腎細胞などの培養で細胞変性をともなって増殖した. H-162株感染細胞の核内にはエオジン好性の封入体が観察された. 感染細胞の電顕観察では核内に定型的なアデノウイルス粒子が認められ, それらはしばしば結晶状に配列していた. H-162株は14日齢発育アヒル卵の尿膜腔内でよく増殖したが, 10日齢発育鶏卵の尿膜腔内では増殖しなかった.
- 1983-10-05
著者
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松本 稔
北里研究所ウイルス部
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松本 稔
北里研究所研究部ウイルス
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松本 稔
北里研究所
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東原 稔
北里研究所付属家畜衛生研究所
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東原 稔
北里研究所家畜衛生研究所
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渡辺 義計
林薬品家畜衛生研究所
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蛭間 正巳
北里研究所附属家畜衛生研究所
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宝達 勉
北里研究所附属家畜衛生研究所
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高井 伸二
北里研究所付属家畜衛生研究所
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日高 温子
北里研究所付属家畜衛生研究所
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宝達 勉
北里大学獣医伝染病学教室
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