安静時および最大運動負荷時における脾臓摘出馬および疑似手術馬の赤血球量の測定

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サラブレッド種馬の赤血球量を, 非放射性同位体^<50>Crを用いて測定した. ^<50>Cr標識赤血球を注入後2時間 (安静時) および最大運動負荷時における脾臓摘出馬と疑似手術馬の赤血球量を測定し, 比較した. 運動時には脾臓内の貯留赤血球は循環中に放出されるので, 最大運動負荷時における疑似手術馬の赤血球量は, 安静時における赤血球よりも多く算出されると予測された. しかし, 疑似手術馬の安静時の赤血球量は, 最大運動負荷時の赤血球量とほぼ同量であった. さらに, 脾臓摘出馬においても, 安静時の赤血球量と最大運動負荷の赤血球量が一致した. これらのことから, 馬の脾臓内の貯留血液は, 安静時においても循環中の血液と徐々に交換され, 2時間以内で脾臓内の殆どの赤血球は入れ替わっていると推測された. そのため, 馬の場合, 血球を標識する方法では脾臓血を除いた循環血球量を求めることは原理的に不可能である. しかし, ^<50>Cr法で総赤血球量を求め得ることが可能である. また, 脾臓摘出馬では, 最大運動負荷時における血漿量は, 安静時のそれに比べてわずかに減少したが, 疑似手術馬では大きな血漿量の減少が認められた. このことから, 運動により血漿が循環血液から一時的に消失する現象に, 脾臓が関与することが示唆された.
社団法人日本獣医学会の論文
1997-09-25

安静時および最大運動負荷時における脾臓摘出馬および疑似手術馬の赤血球量の測定

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