Sumithion によるハエおよび蚊駆除実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.大阪府下の一農村において, 1962年7〜8月にわたり, Sumithion製剤によりハエ及び蚊の駆除実験を行なつた.2.屋内には0.5%油剤を33m^2あたり200ccの割合で煙霧を行ない, 牛舎には10%乳剤の20倍液を天井, 側壁に1m^2あたり100ccの割合で残留噴霧を隔週に行なつた.同時に毎週1回ずつ乳剤の100倍液を牛舎のしきわら, 便池, 肥料溜に1l/m^2散布し, 鶏舎, 堆肥, 塵厨芥の集積には2%粉剤を130g/m^2散粉し, 下水溝やその他の水たまりには乳剤の100倍液を100cc/m^2散布した.3.屋内におけるイエバエの棲息密度は, 散布により減少したが, 1週間経過するとかなり回復する傾向が認められた.牛舎ではサシバエ, イエバエの顕著な減少が認められ, 実験期間中ハエ密度はほとんど回復しなかつた.これはしきわらに散布した薬剤の効果が大きいためと観察された.4.便池におけるセンチニクバエ幼虫の駆除効果は, 10%乳剤200倍液を1l/m^2散布することにより1日後には殆んど死滅し, 4〜7日後には散布前の状態に回復した.5.蚊の駆除効果をライトトラップで推定したところ, 捕集された蚊は周辺の水田から発生したと考えられる種類が大半を示し, 地域内だけの駆除で蚊の減少を期待することは困難であると思われる.
- 1963-02-28
著者
-
藤戸 貞男
大阪府環境衛生課
-
武衛 和雄
大阪府立公衆衛生研究所
-
斉藤 寿久
大阪府環境衛生課
-
新原 富夫
大阪府狭山保健所
-
辻本 正三
大阪府狭山保健所
-
中谷 繁治
大阪府狭山町役場
-
藤戸 貞男
大阪府立公衆衛生研究所
関連論文
- 牛膝の成分研究(第5報) : EcdysteroneおよびInokosteroneの昆虫ホルモン活性
- 生薬および植物の昆虫変態活性(その1)
- Sumithion によるハエおよび蚊駆除実験
- 幼若ホルモン類似体 methoprene の蚊に対する効果
- コガタアカイエカ Culex tritaeniorhynchus Giles の個体数が吸血率に及ぼす影響とその日本脳炎流行との関連について
- 1968 年大阪府下におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状況に関する調査(第 21 回大会講演要旨)
- 大阪府下各地におけるライトトラップによる蚊成虫採集成績, 水田地帯と都心部の比較検討(第 21 回大会講演要旨)
- 薬剤撒布が蚊幼虫と捕食虫に及ぼす影響(第 21 回大会講演要旨)
- 大阪府下各地における薬剤散布によるコガタアカイエカ幼虫駆除実施成績 : 2) 大阪府下, 守口, 門真, 寝屋川三市合同水田対策(第 21 回大会講演要旨)
- 大阪府下各地における薬剤散布によるコガタアカイエカ幼虫駆除実施成績 : 1) 薬剤散布実施成績と生育に及ぼす影響(第 21 回大会講演要旨)
- 1967 年大阪府下におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状況にかんする調査 : 2. 和泉市における調査成績, とくにコガタアカイエカの生理的年齢構成の季節的変遷について(第 20 回大会講演要旨)
- 1967 年大阪府下におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状況にかんする調査 : 1. 府下各地における蚊成虫の採集成績と日本脳炎ウイルスの保有状況(第 20 回大会講演要旨)
- 1970 年大阪府におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状況について(第 23 回大会講演要旨)
- Dibrom によるハエ駆除実験
- 有機燐製剤のフイルド実験について
- 有機燐製剤のフィールド実験について(第 11 回大会講演要旨)
- ニクバエ 3 種の生態, とくに発育と生殖能力に及ぼす温度の影響
- 大阪府におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状態に関する研究
- 大阪府における日本脳炎の生態学的研究 : 2. 患者数との関係におけるコガタアカイエカの発生消長に対する日本脳炎ウイルス感染蚊の出現時期の早晩と蚊の発生量(1967-1986年)
- 大阪府における日本脳炎の生態学的研究 : 1. 水田面積, 家畜飼育農家戸数の減少と患者の発生状況(1965-1986年)
- 住家性ねずみ巣内の動物相, 特に成態群の構成と量的観察について
- コガタアカイエカ幼虫数の水田間の変動について(第 22 回大会講演要旨)
- 大阪地方の恙虫の研究
- 大阪府における日本脳炎の生態学的研究 : 3. 豚へのワクチン接種によるコガタアカイエカの感染と患者の発生に対する効果
- 大阪府における越冬蚊の生態, とくにコガタアカイエカの越冬に関する研究 : 1. ドライアイストラップとエマージェンストラップによる採集成績
- 2 生駒山頂における蚊の採集成績, 特にコガタアカイエカの生理的年齢について
- 7 大阪における越冬コガタアカイエカの調査成績
- コガタアカイエカ幼虫駆除についての防疫薬剤および農薬による駆除の比較検討(第 22 回大会講演要旨)
- 1969 年大阪府におけるコガタアカイエカの生態と日本脳炎ウイルス保有状況について(第 22 回大会講演要旨)
- 家鼠の Population 算定と駆鼠効果について〔I〕(第 5 回大会講演要旨)
- 住家性ネズミ巣内の動物相について : 〔I〕成態群の構成と量的観察(第 4 回大会講演要旨)
- 大阪府における砂蚤の発生について : 特に昨年度との比較(第 3 回大会講演要旨 II)
- クマリン系殺鼠剤に対する Vitamin K の影響(第 6 回大会講演要旨)
- 大阪地方のツツガムシの研究 (第 3 報) (第 10 回大会講演要旨)
- 生駒山頂における蚊の採集成績, 特にコガタアカイエカ Culex tritaeniorhynchus summorosus の生理的年令について
- 幼若ホルモン類似体 methoprene 製剤によるアカイエカの駆除実験
- コガタアカイエカ,アカイエカ,シナハマダラカの吸血嗜好性に関する1資料
- 野外におけるコガタアカイエカの gonotrophic cycle
- コガタアカイエカCulextritaeniorhynchussummorosusの採集数と翅長との関係について
- 鼠群に及ぼす忌避剤の効果について(第 15 回大会講演要旨)
- 養鶏場における Baytex および dimethoate 残留噴霧によるハエ類の駆除実験
- 殺そ剤ノルボルマイドの野外実験について (第 18 回大会講演要旨)
- 環境衛生特別対策効果判定地区のハエ蚊駆除効果について(第 17 回大会講演要旨)
- Nankor によるハエ駆除実験
- 大阪府における越冬蚊の生態, とくにコガタアカイエカの越冬に関する研究 : 4. 越冬蚊と新生蚊の出現に及ぼす温度の影響
- コガタアカイエカの年令構成と生存率
- 土壌中のイエバエ蛹に対する燻蒸剤の影響について
- ごみ埋立地におけるハエ幼虫および蛹に対する燻蒸剤の効果について(第 14 回大会講演要旨)
- 土壤中のイエバエ蛹に対する燻蒸剤の影響について(第 13 回大会講演要旨)
- 大阪府下の野鼠類に寄生するトゲダニ類について
- 幼若ホルモン類似体 methoprene のハエに対する効果
- 大阪地方の恙虫の研究 (第 2 報)(第 9 回大会講演要旨)
- 大阪地方の恙虫の研究 (第 1 報)(A 分布, I ツツガムシ)
- 121. 大阪地方における野鼠の調査,特にツツガムシとの関係について(昭和31年度日本農学会大会専門部会)