メトプレン製剤と有機リン系殺虫剤の市街地排水路に生息する標的外動物に与える影響
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概要
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Methoprene製剤であるAltosid 10Fと, 有機リン剤(dichlorvos 2%+fenthion 3%混合乳剤)をおのおの蚊幼虫を防除するに十分な濃度で野外水路に処理し, そこに生息する標的外水生動物におよぼす影響を比較調査した。その結果, Altosid 10Fを処理した水路では, 2週間後に処理前と比較してショクガバエ科(Syrphidae)幼虫, ミズムシAsellus hilgendorfii, フタバカゲロウCloeon dipterumおよびユスリカ科(Chironomidae)幼虫の密度低下がみられた。しかし, これらのうちショクガバエ科幼虫以外の水生動物は, 処理後も生息し続けていた。一方, 有機リン剤処理区では, 処理後1週間目でユスリカ幼虫を除く, 魚類をはじめ水生動物がほとんど採集されなかった。次に, 水路で普通にみられるミズムシおよびサカマキガイに対するmethopreneならびに数種殺虫剤に対する急性毒性試験を行ったところ, サカマキガイについてのLC_<50>値はfenitrothion, dichlorvos, diazinon, およびmethopreneでそれぞれ1.9,1.9,2.5,および10.6ppmであり, ミズムシ幼虫に対するLC_<50>値はfenitrothion, dichlorvos, diazinon, methopreneおよびfenthionで, おのおの0.018,0.035,0.25,0.30および0.65ppmであった。
- 日本衛生動物学会の論文
- 1992-06-15
著者
-
亀井 正治
アース・バイオケミカル株式会社
-
亀井 正治
大塚製薬株式会社徳島工場昆虫研究所
-
亀井 正治
大塚製薬昆虫研
-
菊池 哲志
徳島市医師会衛生害虫研究室
-
大久保 新也
徳島市医師会衛生害虫研究室
-
安野 正之
国立環境研究所生物環境部
-
菊池 哲志
北スマトラ地域保健対策プロジェクトインドネシア共和国北スマトラ州保健局:帝京大学医学部医動物学教室
-
大久保 新也
徳島市医師会
-
安野 正之
北スマトラ地域保健対策プロジェクトインドネシア共和国北スマトラ州保健局:滋賀県立大学環境科学部環境生態学科
-
安野 正之
国立環境研究所地球環境研究グループ
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