高速光伝送システムにおけるFEC符号を用いた並列伝送方式の検討

概要

論文の詳細を見る
将来の光通信システムのさらなる超高速化・長再生中継間隔化を実現するためには、波長分散による波形劣化と光アンプの自然放出光雑音累積によるSN劣化という問題を改善/補償する必要がある。符号誤りを電気段で訂正する誤り訂正符号(FEC)は、これらの問題の改善方法の有力な候補である。一方、伝送システムの監視・制御の高機能化を目標として、全世界的にSDH化が推し進められており、国内の陸上伝送システムは全てSDH化しつつある。またネットワークのオープン化/グローバル化に伴い、標準インターフェースによる国際接続が今後ますます重要になる。SDHに整合したFEC符号は現在3種類ほど提案されているが、どれもオーバーヘッドの未定義領域に冗長ビットを挿入する方法を採用している。STM-1フレームに対し数〜十数バイトしか冗長帯域がとれないこれらの符号では、誤り訂正能力が制限されていた。そこでわれわれは本稿で、冗長ビッ卜を別の波長を用いて伝送することによって信号としてはSDHに完全に準拠しながら訂正能力の高いFEC符号を実現する伝送方式について提案する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-13