水晶振動子のスプリアスモードを利用した微量質量センサ

概要

論文の詳細を見る
水晶振動子の質量付加効果を利用した微量質量センサ、所謂QCM(Quartz Crystal Microbalance)はその高い感度特性により、種々の微量質量測定に応用されている。これらの応用では主として基本厚みすべりモードにおける質量付加効果が利用されている。しかし、これらを室外で使用するような場合には、環境変かに伴う振動子の周波数ドリフトにより、長期間に渡る測定結果に十分な信頼性を期待することは難しい。既に筆者らは質量付加による共振周波数変化の感度が異なる2種類のモードを利用する方法を提案している。またその際、各モードの振動パターンをパルスレーザ法により測定し、周波数変化量の多いモードでは電極内の振動変位が変化することを確認している。このセンサを実用化するぬは、(1)質量付加の最適位置決定法、および(2)温度等の環境による影響を補償した後の測定値の精度を検討する必要があった。そこで本報告では、まず振動子の電極形成部以外でも、その応力分布を測定できる非接触Toothpick法を提案し、2つのモードにおいて質量付加感度差が最大となる最適付加位置の決定法に応用する。次にこの方法により決定された付加位置により周囲温度を変化させて実際に質量測定実験を行なった。その結果、温度を変化させた場合でも2つのモードの共振周波数差から±0.1μ・の精度で付加質量の測定が可能であることが示される。
1996-09-18

水晶振動子のスプリアスモードを利用した微量質量センサ

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク