実体と仮想オブジェクト間の注視点移動における焦点調節補償効果の検討
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概要
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立体表現はバーチャルリアリティ技術の中で,最も重要な技術の一つである.これら立体表示では両眼立体視方式,ホログラフィ方式,ボリウムスキャン方式などが知られている.この中でも両眼立体視方式は従来の2次元画像信号との互換性が高く大画面化,カラー化,動画像化といった面で優れており広く使われている.ところが両眼立体視では表示面以外の奥行きに表示されたオブジェクトを観察する場合に,実物を観察する場合と比べて焦点調節と輻輳の関係に矛盾が生じる.これを補償し常に輻輳に応じた正しい焦点調節を与える立体表示装置を既に報告した.ところでVR技術の応用として,シースルー型ヘッドマウントディスプレイを用いて実世界に仮想オブジェクトを重ねて表示し,機器操作のガイダンスを与えるなどの応用が活発に研究されている.このようなシーンでは注視する実体と同じ奥行きに仮想オブジェクトを表示するが,従来の両眼立体視では焦点調節と輻輳の不一致により実体と仮想オブジェクトを同時に観察したり,一方から他方に視点を移動する際に困難や違和感を感じる.これらを低減するために,提案した焦点調節補償が有効に作用することが期待される.本報告では,実体と仮想オブジェクトが混在するシーンにおける提案したシステムの有効性を,実体から仮想オブジェクトに視点を移す場合の融像時間により評価したので報告する.
- 1996-09-18
著者
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