正倉院文書復原過程のXML/XSLTによる記述(<特集>人文科学における情報知識処理)
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概要
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正倉院文書は、東大寺の正倉院に伝来した8世紀の文書群の総称である。本文書は、背面再利用と19世紀初頭からの「整理」作業のため、その奈良時代の帳簿の形態が著しく損なわれ、論理構造と物理構造の差異という特徴をもつ。この帳簿形態の復原過程を関連史料の各々の実体を含めてXML/XSLT(eXtensib1e Markup Language / eXtensible Stylesheet Language Transformations)で記述する手法を提案する。筆者らは、この復原過程における関連史料の各々の実体を統合化するための構造化ルールをXML/XSLTを用いて記述し、復原研究を支援するシステムを構築した。本システムでは、関連史料が構造化ルールのXSLT記述に基づいて階層構造化され、中問表現としてのXML文書が生成される。また、構造化ルールからの例外により新たな事象の発見が可能となり、新たな知見を得る機会になる。生成されたXML文書は、論理構造を復原するXSL(extensible Stylesheet Language)に基づき、Webブラウザ上に表示され、またWordマクロ機能により物理構造が反映された「短冊」として復原できる。本論文では、帳簿形態の復原過程をXML/XSLTで記述する手法、及び実現したシステムの有効性について考察する。
- 2002-03-31
著者
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