富松城歴史博物館における一事例 : 「仮想」博物館の歴史学応用への試み
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概要
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富松城跡は尼崎市にある中世の城跡である。『細川両家記』によると、摂津西部地域で軍事的に重要な役割を果たした事がわかる。富松城跡は個人の所有であったため、相続税として国に物納され,競売にかけられる可能性が出てきた。その事態を受けて、この富松城跡を保存し、周辺地域の歴史を考えなおそうという動きが地元で起こった。その動きに神戸大学地域連携センターが呼応した。富松城博物館建設の指針として、web上で仮想博物館を作り、提示することとなった。富松城「博物館」は地域住民が中心となって作ったものであり、技術的に新しい視点は見られない。しかしながら、仮想博物館をもとに、現実の博物館を作る動きと、研究者と地域住民が一体となる「場」としての仮想博物館のあり方は、歴史学、博物館学とコンピュータの新たな関係を持っものであろうと思われる。本論考はその仮想博物館作成における意義と、課題を検討したものである。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2003-07-25
著者
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