ダイヤモンド表面チャネル型FET : その動作機構と応用 (ワイドギャップ半導体とそのデバイス応用論文小特集)

概要

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水素終端されたダイヤモンド表面は, アンドープでもp型伝導性を示す。この表面伝導層は〜10 nmと非常に薄く, FETのチャネルとして最適である。そこで本研究では水素終端ホモエピタキシャルCVDダイヤモンドの表面伝導層をチャネルとして用い, 高性能なMESFETおよびMOSFETを作製した。MESFETではゲート金属の種類を変えることにより, エンハンスメント型およびデプレッション型いずれも得られている。また, MOSFETではデプレッション型が実現している。MESFET, MOSFETともに現在ダイヤモンド中最高の相互コンダクタンスをもつデバイスが得られた。更に, 表面伝導層のモデルを数種類用いて, このダイヤモンド表面チャネル型FETのデバイスシミュレーションを行った。その結果, 表面に2次元的にアクセプタを分布させたモデルが現実のデバイスのI-V特性を再現できることがわかった。また, このモデルを用いて, ダイヤモンドでは実現していない1μmゲート, セルフアライン構造のFETをシミュレーションした結果, それらの相互コンダクタンスは100mS/mmを超えることがわかった。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-01-25