実対話音声を用いた有限状態トフンスデューサ型認識デコーダの評価

概要

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著者らは, 言語モデル, 発音辞書, HMMによる音素環境依存モデル等をあらかじめ単一の有限状態トランスデューサ(FST)として表現し, 認識時の複雑な処理を単純な仕組みにより実現する高速・高精度の音声認識デコーダを開発中である.本デコーダはこれまでに, 日本語講演音声の認識実験での評価において, その有効性を示している.本報告では更に, このFST型認識デコーダを用いて, 実際に本デコーダが導入されている音声対話システムを介して収録した, 人-機械の日本語対話音声に対する評価実験を行ったので, その結果について報告する.また, 収録データを用いた音響モデルの追加学習による効果についても述べる.結果としてFST型認識デコーダは, 音声対話システムを介してデータ収録を行う初期段階において, 高速・高精度な結果を示した.また, 収録データを用いた音響モデルの追加学習を行うことによって, 認識性能が向上することを確認し, 引き続き音声収録を行うことによる, 更なる性能改善への見通しを得ることができた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-01-18