輻輳角情報のみに限定した、動く対象に対する大きさと距離知覚

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概要

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両眼視で視覚対象物の客観的な大きさを知覚するためには、網膜像と対象物までの距離の情報が必要である。距離を知る情報源を輻輳角に限定して動く対象に対して網膜像の大きさから対象の客観的大きさを復元できるか否かについて検討し、輻輳角情報による距離知覚の復元精度を各被験者について調べ、大きさ復元のデータとの対応付けを試みた。大型3次元映像提示システムと液晶シャッター眼鏡を用いて、ランダムドットパターンのある領域を連続的に動かすことによって作られた図形を種々な輻輳距離に提示し、その大きさを基準サイズに復元させた。8名の被験者とも輻輳距離が小さくなると同じ網膜像の大きさに対して図形の縮小を知覚した。基準サイズに復元する拡大率は大きな個人差があり、理論的な予測値よりほぼ全員が明らかに小さかった。また、距離の復元精度と大きさの復元精度には密接な関係があり、大きさ知覚と距離知覚は図形の処理過程に依存しないことが示唆された。
2001-01-20

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