2チャネルシステムにおける利得制御に基づいた音声強調に関する検討

概要

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振幅利得の制御に基づく既提案の2チャネル音声強調システム[1],[2]において,走行雑音のように相関のある雑音の存在する場合,および,目的音に関する反射音の存在する場合の性能向上のため,クロススペクトルに対するスペクトルサブトラクションの導入と適応フィルタを用いたチャネル間の等化処理の提案を行う.クロススペクトルのサブトラクションは,振幅利得推定の際に雑音に起因する相関を減算して目的音パワーの推定誤差を低減する.また,チャネル間等化は,目的音が存在する信号区間で適応フィルタを駆動することにより,目的音に関するチャネル間の伝達関数の差を補償する.このとき,雑音が相関をもつ場合にも対処するため,等化に用いる適応フィルタに対し,雑音の相関を減算しつつ目的音のチャネル間伝達関数を学習するように修正を施す.車の中で収集した音声と実環境雑音のデータを用いて提案処理法を評価した結果,上記2つの方法を組み合わせて用いる場合が最も効果的であることが確認できた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-08-01