雑音の影響を考慮したAMTIの提案
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概要
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AMTI(Adaptive Moving Target Indicator)は,レーダ受信信号に含まれる雨,雲等からの不要反射エコーである移動クラッタの抑圧に有効なフィルタである.捜索用レーダでは,短時間で広範囲にビームを走査する必要があり,特定の方位・距離に存在するクラッタのエコーを同一ビームで受信できるパルスヒット数が非常に少なくなる.この影響により,フィルタの荷重を調整するアルゴリズムが収束せず,フィルタが形成するヌルの深さが変動したり,ノッチ周波数とクラッタ中心周波数との誤差が大きくなり,クラッタ抑圧性能が確保できない場合がある.このため,フィルタ荷重の振幅値を固定し,位相のみを制御するAMTIを提案した.このようなAMTIを用いたクラッタ抑圧処理手法として,静止又は移動速度の遅いクラッタをMTIで除去し,移動クラッタをAMTIで抑圧することが考えられる.しかし,移動クラッタのC/N比(クラッタ対雑音電力比)が小さくなると,MTI処理によって変調された受信機雑音の影響で移動クラッタ中心周波数推定精度が劣化する.そこで本稿では,このような推定精度の劣化を軽減するために,クラッタ中心周波数の推定アルゴリズムを2次形式に拡張したAMTIを提案し,計算機シミュレーションによってその有効性を明らかにする.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-11
著者
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