把持運動における認知・運動機構の検討
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概要
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最近Goodaleらは, 人の脳内の2つの視覚経路の役割が「運動」と「認知」であり, これらの情報処理は独立になされているという新たな仮説を提案をした。このGoodaleの仮説の妥当性を検討するために, 対象物のサイズ知覚に関する錯視と方向知覚に関する錯視を用いて心理物理実験を行なった。錯視物体に対して, 把持運動を行なった時(運動課題)と腕を動かさずに対象物を把持するための手形状を作った場合(認知課題)の指先位置を計測した。この結果, 運動課題と認知課題の両方において, サイズ知覚に関する錯視はアパチャに影響を及ぼしている傾向が見られた。また, 対象物の方向知覚に関する錯視は手の方向に影響を及ぼしていた。この結果は, 運動課題と認知課題に関する情報処理は, 独立に行なわれているとは言えないことを意味する。従って, Goodaleの仮説を指示しないことが明らかになった。
- 1999-03-18
著者
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