空間検索を効率化した時空間データ管理構造の提案 : 多次元Persistent Tree

概要

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点・線・領域といった図形データの管理手法として,多次元データ構造がいくつか提案されている.一方で,医療データ管理システム等の構築においても,時間情報を扱うものとしてTemporal Databasesの研究が活発になっている.しかし,地理情報システムや図面管理システム等では,空間的な情報に時間情報も含めた時空間データの管理が強く望まれており,いずれの手法を使っても,これらのデータを効率良く管理できない.本論文では,時間情報として生起・消滅時刻をもつ多次元データを管理対象とし,データの位置情報に基づく検索の効率低下を伴わない管理構造である,多次元Persistent Tree (Multidimensional Persistent Tree ; MP木)を提案する. MP木は,従来の多次元データ構造に, Persistent Search Treeの手法を適用して拡張したものである.本論文ではまず,従来の多次元データ構造による時空間データの管理手法を,空間検索の効率とメモリコストの観点から検討し,その問題点を挙げる.最後に,提案法が,最新状態に対する空間検索および時空間検索についてこれらよりも優れていることを計算機実験によって示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-09-25