微細構造を有するタングステン層により電子放出面積を増大させたイリジウム被覆含浸型カソードの電子放出特性
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概要
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カソードの高電流密度化は、リチャードソン式から、仕事関数の低減あるいは定数A'の増大によって実現されることが知られている。これらの内、仕事関数低減の試みはこれまで多くの報告がなされてきた。しかし、定数A'の増大の試みはこれまで殆ど報告されて来なかった。故に、本研究では、微細構造を有するタングステン層をイリジウム被覆含浸型カソード表面に形成することによって、電子放出面積を増やすことよる定数A'の増大を試みた。更に、このカソードの電子放出特性を調査した。その結果、従来のイリジウム被覆含浸型カソードに比べて高電流密度が得られ、そのゼロ電界電子放出特性は約16A/cm^2(1050℃b)であった。以上の事から、電子放出面積を増やすことによる定数項A'の増大は、仕事関数の低減と同様に、カソードの高電流密度化手段として有意であると結論する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-12-08
著者
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新井 学
新日本無線株式会社
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新井 学
新日本無線(株)マイクロ波事業部
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木村 親夫
新日本無線株式会社技術開発本部
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木村 親夫
新日本無線株式会社
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木村 親夫
新日本無線(株)技術本部
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佐藤 高
新日本無線株式会社
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宮本 洋之
新日本無線株式会社
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玉井 秀昭
新日本無線株式会社
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新井 学
新日本無線(株)
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