36. 海馬に分布するカテコラミン線維終末について。グリオキシル酸蛍光法及び電顕観察。
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概要
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最近, グリオキシル酸が, 微細なカテコラミン(CA)線維終末の証明や, 幼若動物中枢神経系におけるCA線維分布を調べるために, 広く用いられつつある。われわれは, この方法を用いて, 成熟ラットおよびネコの海馬に分布するCA線維終末の検索を, 5-OHDA投与による電顕観察を併用して行った。2%グリオキシル酸リン酸緩衝溶液(pH7.5)を左心室より注入し, その後Fa-lck-Hillarp蛍光組織化学法に従い, 蛍光顕微鏡で観察した。ラット海馬においては, hilus fascia dentataeにび漫性に強いCA蛍光線維の分布が認められ, 次いでCA4野にもかなり強い線維分布を認めた。また, CA2, CA3野のStr. pyramidale, str. radiatumにも中等度の蛍光線維の分布を認めたが, str. oriensには蛍光線維の分布は非常に少なかった。同時に行った5-OHDA(300μg)海馬内注入による電顕観察においてhilus fascia dentataeには小型の神経終末が非常に多く分布するが, その中に大小の含粒小胞を含んだ終末が数多く認められた。一方, ネコの海馬においてはCA線維の分布は少なく, hilus fascia dentataeにも蛍光線維終末が散見されるだけであり, ただCA線維終末が比較的多く認められたのは, CA2野のStr. pyramidaleとstr. radiatumであった。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
木村 宏
滋賀医科大学分子神経生物学研究センター
-
井端 泰彦
京都府立医科大学第二解剖学教室
-
井端 泰彦
日本組織細胞化学会
-
木下 晴生
京府医大 解剖
-
木村 宏
滋賀医科大学 分子神経科学研究センター
-
木下 晴生
京都府立医大、解剖
-
井端 泰彦
京都府立医科大学 第2解剖
-
井端 泰彦
京都府立医科大学
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