地球化学的にみた西南日本の下部白亜系と韓半島の慶尚層群の後背地地質体の関係と推積環境
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概要
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西南日本の下部白亜系頁岩の元素組成をもとに, これらの地層のprovenceと堆積環境を考察した。上部古生界を含む長門構造帯の吉母(Yoshimo)層および千石(Sengoku)層の希土類(REE)および微量元素組成は上部大陸地殻の組成を代表するとされているPAAS (post-Archean Australian shales)に類似する。千石層と韓半島南部の慶尚(Kyeongsang)盆地の河陽(Hayang)層群の元素組成は類似しており, 両者のprovenanceは密接な関係を持っていたと考えられる。吉母層はPAASに比べ, Y, Hf, REEなどの元素がやや富んでいる。稲倉(Inakura)層や篠山(Sasayama)層群などより若い地帯群を覆っている地層は, PAASとは異なる元素組成を示す。Th-Hf-CoおよびLa-Th-Sc判別図において, 河陽層群, 千石層, 吉母層はPAAS組成ときわめて類似している。篠山層群と稲倉層はPAASとはやや異なるが依然として近い位置にプロットされる。したがってこれら下部白亜系頁岩の元素組成は上部大陸地殻の平均値を示しており, これまで砂岩の組成について報告されていたものとは異なる結果を示す。これらの下部白亜系からはストロマトライトが特徴的に産する。また, これらの頁岩がやや高い硫黄含有量と金属元素の濃集を示すことから, 白亜紀古世の乾燥気候時に塩湖が形成されたものと考えられる。
- 日本地質学会の論文
- 1997-06-30
著者
-
石賀 裕明
Department of Earth Sciences, Kyoto University of Education
-
三瓶 良和
島根大学総合理工学部地球資源環境学教室
-
道前 香緒里
湧有限会社
-
三瓶 良和
Department of Geology, Faculty of Science, Shimane University
-
武蔵野 実
Department of Earth Sciences, Kyoto University of Education
-
武蔵野 実
京都教育大学
-
石賀 裕明
Department Of Geoscience Shimane University
-
道前 香緒理
Department of Geosciences, Osaka City University
-
古谷 英之
Geoscience, Co. Ltd.
-
三瓶 良和
島根大学総合理工学部地球資源環境学科
-
武蔵野 実
「砕屑岩組成と堆積・造構環境」編集委員会
-
道前 香緒里
Department Of Geosciences Osaka City University
-
古谷 英之
Geoscience Co. Ltd.
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